スイートリトルライズ

私は実家に帰ると読書家になります。なぜって親が大量の本を買ってるから。新書をめったに買わない私は実家で読みだめするのです。

で、さっそく手に取ったのがこれ、「スイートリトルライズ」江國香織です。なんで手に取ったかって、「表紙が可愛いから」「有名作家だから」です。多分それだけで買ってる人がいると踏んでます。

内容は…端的に言えばダブル不倫の話ですね。しかし、主人公がテディベア作家というメルヘンチックな職業についてて、スタイリッシュで淡々とした作者の語り口のおかげで「なんかきれいで切ない話」という感想を持つ人もいるんじゃないでしょうか。

私は「いや、いくら綺麗に着飾ってもしょせんダブル不倫の話でしょ？」とか思っちゃいましたが…。俗な人間でごめんなさい。

江國香織は「きらきらひかる」「落下する夕方」「神様のボート」「東京タワー」「号泣する準備は出来ていた」等々、けっこう読んでるんですけどねえ。どうも作品にのめり込めないです。どうも登場人物に現実感が希薄で、感情移入できないんですよねえ。テディベアとかカモミールティーとかに縁がない生活を送っているのが原因だと分かってはいるんですが。
そんな訳で私の中で彼女は可もなく不可もなく、という評価です。